皆さんも「痒い」時、皮膚を「かきむしる」ことがあると思います。
「痒い」となぜ「かく」のでしょうか? 痒みが鎮まるから、そしてあのかいた後の心地良さ、快感---!。
でも「かきむしる」と皮膚に損傷を与え「痛み」を伴います。「かゆみ」と「痛み」は別々の感覚ですが、どこかに通っています。
なぜ、皮膚に「痛み」を加えると、痛みとは別の感覚である「痒み」が鎮まるのでしょう!
1.痒みとは何か
痒みは皮膚や目、口、喉などにある一部の粘膜で生じます。
医学的には、「痒み」は「かきたい衝動を引き起こす不快な皮膚の感覚」と定義されています。
よって、「かきむしり」(医学的には掻破行動という)を生じさせる感覚は全てかゆみに該当します。
一度痒みが生じると、それを鎮めるために、かきむしって皮膚を傷つけ、それが原因でさらに皮膚が痒くなるという悪循環が生じます。早期にこの悪循環を断ち切らないとかゆみが慢性化してしまいます。
2.痒みは生体の防御機構
かゆみの生理的な意義とはなんでしょうか。
本来、「痒み」とは皮膚についた虫などの外敵や異物を除去するため、ひっかきたくなるような不快な感覚を起こすのです。つまり、「ひっかく」というかきむしり行動は、虫などの異物を取り除くために必要な、重要な生体防御機能の1つで、異常を自分に知らせる警告です。かゆみを感じず、そのままにしておくと、皮膚は虫や外敵によって障害されてしまいます。
猿、犬、猫等の動物は足で体をかいて、ダニ等の害虫を取り除きます。
2.痒みは生体の防御機構
かゆみの生理的な意義とはなんでしょうか。
本来、「痒み」とは皮膚についた虫などの外敵や異物を除去するため、ひっかきたくなるような不快な感覚を起こすのです。つまり、「ひっかく」というかきむしり行動は、虫などの異物を取り除くために必要な、重要な生体防御機能の1つで、異常を自分に知らせる警告です。かゆみを感じず、そのままにしておくと、皮膚は虫や外敵によって障害されてしまいます。
猿、犬、猫等の動物は足で体をかいて、ダニ等の害虫を取り除きます。
3.「痛み」は「痒み」と別の感覚
痒みとよく似ているのが痛みという感覚です。かゆみも痛みもいずれも不快な感覚で、生体にとって不都合な状態や危機的状態が起きていることを脳に伝える役割を担っています。
「胃が痛い」ことはあっても「胃がかゆい」ということはありません。「痛み」は「痒み」とはそもそも「別の感覚」でそれぞれ別の神経によって脳に伝えられます。痒みのメカニズムについては未だに多くの謎が残されています。
4.なぜ、痒くなるのか:痒みの伝達路
例えば、皮膚の表面が刺激を受けたり、体の中で生じたアレルギー反応によってかゆみを起こす物質が放出されたりすると、
神経の末端がこれらの刺激を受け取って、その情報を脳へ伝え、脳が「痒み」として認識します。
5.なぜ、描くとかゆみが治まるのか。
痛みとかゆみは別の感覚なのに、皮膚に「痛み」を加えると「かゆみ」が鎮まるなんて、不思議ですよね。
それは、皮膚から脳へ痒い情報を伝える中継地点(脊髄)で、痛みの神経回路は痒みを伝える神経回路を抑制するからです。
すなわち、痒いところを引っ掻くと痛みの神経回路が活動し、それが痒みの神経回路の活動を鎮めるわけです。
*かくことで気持ちよい気分になるのは、かくという行動に報酬を与えている(脳内報酬系)のです。前回のブログ『「つい、食べ過ぎてしまう」脳の仕組み』で、食べて美味しいとという快感がもっと食べたくさせる』と同様に、痒いところをかくと快感なので、もっとかきたくなるわけです。
**また、アトピー性皮膚炎の患者さんでは「掻いても掻いてもかゆい」場合があります。この原因の一つに、「痛みによる鎮痒の仕組みの異常」が関係しているのではないかと推察されています。
6.神経活動にも影響される
痒みは、精神活動によっても抑制されます。
自宅でリラックスしていると無償に痒くなるのに、会社で働いている時や学校で勉強しているときは、不思議とかゆみを感じない。
これにも抑制系介在ニューロンが一役かっています。
仕事や勉強に集中している時は脳の交感神経が興奮し、ノルエピネフィリンという神経伝達物質が分泌され痒みが抑制されます。
7.痒みには2種類ある
1)皮膚に刺激があったから痒いと感じるもの
2)脳が痒いと感じたから皮膚が痒くなるものの2種類あります。
健常人でも、皮膚が特に刺激されたわけでもないのに無性に痒くなることが頻繁に起こります。特に皮膚には異常がないにも関わらず、心理的なストレスを受けると激しいかゆみを生じる方もいます。なぜかその詳細はわかっていません。
8.痒みを引き起こす物質:ヒスタミン
皮膚のなかにはヒスタミンを作る細胞があり、その代表が肥満細胞(ひまんさいぼう)です。皮膚に存在する肥満細胞が刺激されると、ヒスタミンを分泌します。
1)ヒスタミンが血管にはたらきかけると、皮膚が赤くはれます。
2)ヒスタミンが神経にはたらくと強い痒みを起こします。これが蕁麻疹(じんましん)です。
よって、かゆみの第一選択薬である抗ヒスタミン薬によってかゆみが鎮まります。
ヒスタミン以外の原因でかゆみが起こる場合は、抗ヒスタミン薬では効きにくいです。
ヒスタミンを分泌させる刺激
1)接触アレルギー:植物、金属、薬品、その他
2)食物アレルギー
3)虫刺され
4)温度変化
5)ストレス等
*詳細は、「人体最強の臓器 皮膚のふしぎ」著者:椛島健治、順天堂大学「環境医学研究所」参照
我慢できない痒み、ついついかいてしまいまいますが、
かくと何とも言えない気持ち良い快感(あー気持ちいい)、
なんだか、美味しいものを食べた時の快感と似てますよね。
食べること(食べて生きる)、かくこと(外敵から皮膚を守る)による報酬として快感が得られるのです。
でも、かきすぎるとキズになってしまいます、
まずは、冷水や氷で冷やしたり、スーとするメントール(キンカンやウナクール)でもかゆみが鎮まりますよ!
皮膚にはなんの刺激もないのに無償にかゆくなることがあります。
そんなときは心理的ストレスが原因かもしれません、大きく深呼吸して、すって・はいて、楽しいこと考えましょう!