No.20210205 感情変化の体温マッピング -心は体とつながっている-

幸せを感じよう! 自分はハッピーだと心で思おう! そうすれば体が、全身が温かくなる!


図1. 感情変化と体温マッピング(2013 年 The Atlantic)

冬に必要な免疫力を高めるHSPとHSP入浴法

図1.は、フィンランド、スウェーデン、台湾の700 人のボランティアを対象に、様々な感情の下で「体温」がどのように変化するのかを調査した結果です。感情の変化で体温がかなりはっきり変化しているのがよくわかります------感激!

 

「愛・恋してる」時は下肢を除いて特に顔・胸部・腹部が温かく、「幸福」に感じてる時は頭から手足の先まで全身が温かくなります。

「落ち込んだ」時は、手足の先まで全身が冷たくなります。「悲しい」時は、胸部のみ熱く、手足は冷えます。「怒り・恐怖・嫌悪・誇り」では顔と手と上半身のみに熱が集まります。「驚き・不安・恥らい・嫉妬」では、顔は熱く手足は冷たくなります。

 

“結果”

・感情によって、体温が変わる。(落ち込むと体温が下がって、幸せだと体温が上昇する)

・体温変化は結構、明確に表れる。

・下半身は上半身とは相反するように現れる。

・頭部に熱が行きやすく、下半身は熱が届きにくい傾向がある。

・怒り、恐怖、嫌悪・驚き・嫉妬などでは、顔付近の温度が上がり、呼吸数や、脈拍増加と一致する。

・ポジティブな感情や、対外へ向けた感情が起こった際には体温が上昇する。

・落ち込みといった、極端に内側へ向いた感情が起こった際には体温が低下する。

・国籍が違っても似たような結果が得られたということから、人間の感情は人種や言葉の違いを超えて共通している。

 

写真を見て、「やっぱりそうか、バッチリ当たってる!」と思った人も多いと思います、

最近、“どうやって、心の変化が体の変化(体温変化)につながるのか”という科学的根拠が明らかにされました。

2020 年Science に掲載された名古屋大学の中村先生の「心と体をつなぐ心身相関の仕組み」で解明されました。

脳の中に、心理的なストレスや喜怒哀楽などの情動をつかさどる「心」の領域(大脳皮質)から、「体」の状態を調節する領域(視床下部)へ、ストレス信号を伝達する「心身相関」の伝達路が発見されました。例えば、心理ストレス(心)を受けると交感神経が活性化して、脈拍、血圧、体温が上昇する(体)ことは誰もが経験することです。この脳内の「心の神経回路」「体を調節する神経回路」をつなぐ(心身相関)カギとなる神経回路(DP/DTT 領域にある)の存在と仕組みが、ネズミの実験で明らかにされました。パニック障害・心的外傷後ストレス障害等はストレスや情動が交感神経を活性化する心身相関によって発症するス疾患です。 これらストレス疾患に対する根本的治療法の開発につながる可能性が期待されています。また、がん患者さんの症状緩和のための心理療法、しいては、「病は気から」と言われる現象が心身相関から解明されるかもしれません。