「おなら」と「げっぷ」の分れ道
このブログのコーナーは、結構多くの皆さんに読んで頂いております。本当にありがとうございます。
なんと言っても好評だったのが、うんこシリーズ、特に「うんこと下痢と大腸癌」。
そこで、今回は、うんこと言えば、次は、「おなら」でしょ! と言うことで、、、
「おなら」について、すガスがしく(既にここにおならのガスが入っている)解説したいと思います。
1. そもそもおならは、何からできるのか。
腸内で発生したガスと思われがちですが、それよりも食べ物と一緒にのみ込んだ空気が一番の原因です。実は、おならもげっぷも、同じもので、成分(本体)は、空気です。
但し、息を吸った時に吸い込んだ空気は、気管を通って、肺に行くので、おならやげっぷにはなりません。しかし、食べ物と一緒にのみ込んだ空気は、食道を通って、胃や腸に行きます。胃に入った空気の大部分は逆流して、げっぷとして口から出ていきます。そして、一部の空気は水や食べ物と一緒に腸へ移動します。一度腸まで移動した空気は、胃へ逆流することはできなく、おならとして肛門から出ていくのです。おならの成分で最も多いのは、空気中(窒素80%+酸素20%) に含まれる窒素、酸素、二酸化炭素、水素、それに硫化水素などが加わります。
例えば水を10ml飲むと、胃に約18mlもの空気が入り、その一部はげっぷとして口からでますが、余ったものは腸に移行して、おならとして排出されます。
「おなら」になるか、「げっぷ」になるか、それが問題だ!
飲み込んだ空気が胃の中にいる時はげっぷとして入口である口から出され、流されて腸へ行くと最後の出口の肛門からおならとして出ていく。おならとげっぷの別れ道は胃と腸の別れ道。
同じ人でも、働く場所で、北海道では雪子と呼ばれ、沖縄では陽子と呼ばれたりするように(ちょっと違うか?)。
同じ飲み込んだ空気でも、肛門から出ればおならと呼ばれ、口から出ればげっぷと呼ばれます。
ただ、おならの方が、少々臭い。
腸内のガスの9割は体外から口と鼻を通って入ってくるもので、残りの1割は体内の微生物により造られます。小腸の下部や大腸で腸内細菌の作用によって腸内ガスを発生します。このガスのほとんどは腸管から吸収されますが、吸収しきれない分が肛門から排出されます。よって、おならの成分の99%は無臭のガス(窒素・酸素・二酸化炭素・水素・メタン)ですが、僅か1%含まれる硫化水素が悪臭の原因です。
*メタンガス(都市ガスの主成分)は本来無色・無臭ですが、法律でガス漏れ検知のため、臭いのある付臭剤の添加が義務付けられているので、臭い。
2. おならについて知られていること
1)成人のおならの回数、量と性差
おならの回数:10回/日 (5~20回)、おならの量:700ml/日(500~1500ml)、性差:無し
2)赤ちゃんのおならと高齢者のおなら
年齢とともに臭いは強くなります。加齢によって胃腸の機能が衰え、食べ物の消化も段々と遅くなっていき、胃や腸に長く留まるようになります。長い間腸に停滞したガスは発酵が進んでいるため、臭いのきついおならや便になります。
臭さの原因の硫化水素は、主に大腸に存在する嫌気性細菌(酸素がない状態で増殖する細菌)が発生させます。
3)音がするおならと音のないおなら
おならの語源は、「鳴らす」が→「鳴らし」になり、接頭語の「お」が付いて→「お鳴らし」が略され→「おなら」となりました。よって、音がした場合が「お鳴らし」「おなら」で、音がしない場合は「屁」と言うことが多いのです。(おならは医学的には屁という)
4)イモ類など食物繊維の多い食べ物でおならが出やすい?
食物繊維は大腸でしか処理されないため、食物繊維の多い食物を多く食べると、腸内細菌の活動が活発になり、ガスの量も多くなります。その際、大腸で乳酸菌などによって水素やメタンのガスが多量に発生しますが、全くの無臭です。
肉、ねぎ類、にんにく、にらなど硫黄分が多い食べ物を多く食べると、大腸でウェルシュ菌などによって分解される時に腐敗し、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、インドール、スカトールなどのガスが大量に発生し、匂いの強いガスが発生します。
5)おならを沢山する動物は?
オナラをする1位はシロアリ。2位はラクダ、3位はシマウマ。ベジタリアンな人は8位で、そうでない人は9位(ベジタリアンの方が、ガスをたくさん発生する)
6)牛の「おなら」と「げっぷ」は地球温暖化、それともエネルギー源?
牛1頭がげっぷやおならとして放出するメタンガスの量は、1日160〜320リットルにも上ります。メタンはやがて、牛の“正面玄関”からはげっぷとして、“裏口”からはおならとして放出されます。環境にとっては迷惑千万な話です。でも、これを大気に排出する前にメタンガスを抽出して車や冷蔵庫のエネルギーに有効利用する「エネルギー牧場」の研究も有り。肉も牛乳もエネルギーも、モウ、モウ、すごいです。
7)宇宙ではおならはどうなるのか?
無重力空間でおならをすることは、地上とは違い大問題となります。おならの匂いが消えるのは空気に混じり拡散するからであり、宇宙では空気と混じリ合わないため、おならのガスは固まり、あたりを漂うこととなります。そのため、宇宙船内でおならをすることは禁止され、必ずトイレですることになっています。おなら1つで命取りにもなるのだから怖い。」
地球ではおならは拡散して、自然に限り無く臭いも薄くなる---地球っていいな、自由におならできて。
8)登山に行くと “おなら”がよく出る?
約標高1,500mの上昇で、“おなら”の回数が2倍以上になり、高所でおならが増えることをHAFE(High Altitude Flatus Expulsion)と言います。低い気圧のもとではあらゆる気体が膨張するので、標高が高く気圧の低い山では、腸内のガスも膨らんでお腹に張りを感じるからです。
一番大事なのは、“おなら(うんこ、おしっこも)”を我慢しないこと!
3. 我慢したおならはどこへいくのか! ダジャレ:へい(屁)、何処へ。ちょう(腸)と町(ちょう)へ。
おならの行方-1:腸にたまる
おならを我慢すると、腸内にガスがたまり、これが横行結腸および膵臓・胆嚢などの周辺臓器をも圧迫し、腹痛や便秘の原因になります。さらに、悪玉菌や有害ガスが増加することで、腸内(小腸・大腸)に発がん性物質などを発生させる可能性もあります。臭いの主成分の硫化水素は腸管から吸収されず残るので、後で出るおならは臭くなります----素直に、おならは出しておいた方が良いですよ、後がくさい・怖い!
おならの行方-2:皮膚や口から排出される
腸内にたまったおならは、腸管から再吸収(酸素、二酸化炭素、水素は吸収、窒素は残る)されて血液中に溶け込み、全身へと運ばれます。血液中に溶け込んだおならは、皮膚や呼気から体外へ排出され、体臭や口臭がきつくなることも!----我慢できたからと油断大敵。気づかないところから出てるかも!
**げっぷとはちょっと違うが、気になる口臭とは、
口臭が腸内ガスに近い臭いを発することがあります。これは便秘している腸から腸内ガスが吸収され血管内を運ばれ、肺から放出され口腔に至る為です。
4. ガスがたまりやすくなる原因と、それらの解消法
1)ガム
チューインガムをかむと、通常より多くの空気を吸い込むことになり、ゲップやオナラのもとになる。
2)ストローで飲む
ストローで飲み物を吸い込むと、空気も吸い込むことになり、おなかにガスがたまる。
3)早食い
食べ物を急いで食べると、空気も大量に飲み込んでしまう。
4)食物繊維を一度にたくさん食べる
食物線維の多い食べ物を一度にたくさんとると、ガスがたまる元になる。カリフラワー、ブロッコリー、緑の葉物野菜といった食べ物をとると、膨満感やおなかの痛みの原因にもなる可能性もある。
5)喫煙
タバコを吸うときにも空気を吸い込みます。
注意:口から胃に入った空気の量が、おならの量に大きく影響する。
ホットするおならの話しを1つ。
子供が小学校低学年の頃、素早く近寄ってきて、
「母さん、僕、おならを自由に出せるんだよ」
と言って、「ぷう」とおならをして、また「ぷう」、「すごいでしょう」と言って、走り去った。
それを聞いて、「すごいな、うちの息子は」と思ったものです。
当時、子供たちの間では、おしっこを遠くまで飛ばすこと、おならを自由に出せること、
おならが臭いこと、等が自慢のようで、そういう特技?を持つ子が、みんなからの羨望を集めていました。
おなら、うんこ、おしっこなどの生理現象は、我慢しないで、出すこと!
子供の頃のように、誰でもが、“おなら(うんこ、おしっこ)”と普通に言えて、
トイレに行ける、そんな社会がいい。