散歩だけでは、筋力は鍛えられない!(浦島太郎からの修正版)
せっかく、景色の良い自然公園の一角に研究所をかまえたのだからと、引越し以来できるだけ、
すぐ近くにある木曽川の堤防をジョギングすることにしました。“できるだけ”が厄介なのです。
つい、忙しくて、時間がなくて、---と理由をつけて自然消滅してくことが多いからです。
そこで、継続できる対策として、息子に、母の日にスニーカーをプレゼントして貰うことにし
ました。
プレゼントですから、使わないと申し訳ないので、使います。もうすぐ1年になりますが、わり
と継続してます。
また、スニーカーがすごく履きやすく(写真)、とても気分良く走れます。
最初は走ってましたが、徐々に、鶯との口笛でのバトル、雑草や木々、夕日、雲、川の流れ、
岩肌、---など見ながら歩くようになり、今では、思い出したように走っています。
さて、皆さんは、魚は、赤身(赤筋)が好きですか、白身(白筋)が好きですか。
筋肉の分け方には、自分の意思で動く骨格筋、自律神経の支配で動く平滑筋を「No.20180316
ウグイウとシナプス」で説明しましたが、実は、骨格筋には、赤筋と白筋があります。
赤筋は、遅筋とも言い、収縮速度が遅く瞬発力は劣るが、血管(血液)やミトコンドリア(エネル
ギーを作る)が多い(赤く見える)ので、疲労しにくく持続力に優れる。魚ではマグロやカツオで、
運動ではマラソン選手に多い。
白筋は、速筋とも言い、素早く収縮し、瞬発力に優れるが、血管(血液)やミトコンドリア(エネ
ルギーを作る)が少ないので、持続的にエネルギーができず、疲労しやすい。魚ではヒラメやタイ、
運動では重量挙げ選手に多い。
マッチョは赤筋かと思いきや、白筋です。あのマッチョの力コブは長持ちしません。女性諸君、
ムキムキマンに惑わされてはいけません。瞬時の愛より、持続の愛です。
竜宮城のタイやヒラメの舞踊りは白筋です。タイやヒラメは疲れやすいので、あのタイやヒラメの舞踊りはすぐ終わります。男性諸君、終わったら、すぐ地上(自宅)に戻りましょう。そうすればお爺さんにならなくてすみますよ。(浦島太郎より)
お母さんで言うと、飛び出す子供を素早く追っかけるに必要な速筋と、子供をずーとダッコする
に必要な遅筋。赤・白、どっちが強いというより、それぞれの役割があり、どちらも必要です。
さて、若い時は、良いのです。でも、年をとると骨格筋が痩せ衰えます。筋肉の痩せには、2通り
あります。
1.筋繊維(筋肉は筋細胞である筋繊維が多数集まって出来ている)の数が減る(筋細胞が死ぬ)。
筋繊維の数は20歳の時約65万本ですが、80歳になると32万本と約半分に減少します。
(枯葉のように、時期が来ると枯れていく死に方をアポトーシスといい、筋細胞もアポト-シスで死ぬ)
2.筋繊維が萎縮する(やせて細くなる)。筋繊維中のタンパク質が減るので筋肉が細くなる。
特に、老化によっておこる筋萎縮症をサルコペニアといいます。
歩幅は狭くなり、歩くスピードも遅くなります。よって、なにかの病気でベットでの生活が長くなると、立てなくなり、そのまま寝たっきりの状態になってしまう恐れもあります。
老化に伴う1.(筋細胞死)と2.(筋萎縮)は、特に速筋に選択的におこります。
よって、高齢者では素早い動きができなくなります。----お年寄りをせかせてはいけません! 早く
動作できないのです。誰でも年を取るのです。
しかし、1.(筋細胞死)と2.(筋萎縮)は、筋肉を使用することである程度防ぐことができます。
そこで、遅筋しか使わない散歩等の軽い運動だけでなく、筋トレを取り入れて、速筋を鍛えること
が、サルコペニアの予防には重要です。すなわち、散歩+筋トレが必要!
散歩だけではだめ、ペットボトル(カラではダメです、水を入れてください)の上げ・下げ、腕立て
伏せ(孫のダッコに必要)、グーパー(両手を握る・開く:ペットボトルのふたの開閉に必要)、腹筋・
足あげ運動(ウンコするときのふんばりに必要)、スクワット・つま先立ち(しっかり立つのに必要)、
等----もしましょう。